文字単価との付き合い方

sidebusiness 副業

 Web記事を書く、という仕事を受注し、本日(2/7)検収が終わりました。

 クラフトワークス上の募集で、ITスクールの無料体験会に参加し、感想をWordpressに掲載するというものでした。

 500文字以上で3,000円(税別)という案件。初めて応募した案件であったため、分かっていませんでしたが、かなりの優良案件であったようです。確かに他の案件を見ると、なかなかに世知辛い案件が多いですね。

 副業を探し始めるまで、見たことがありませんでしたが、ライティングでは「文字単価」という考え方があるようで、そちらを文字単価から見える現状をまとめてみました。

 対象の方は、以下のとおりです。
 ・これから、副業としてライターをやりたい。
 ・クラウドワークスでライターの仕事を探したい

 最初に結論ですが、「安い単価と引き換えに経験、実績を積む」というのが、文字単価と付き合う方法なのかなと思います。

文字単価とは

 文字単価 = 1文字あたりの金額 × 文字数、です。

 後述の検索結果を見ると、発注者の方で文字数を設定している場合に、文字単価を表示するようになっているようです。そのため、例えば「2,500円」といった金額が記載されている場合、文字単価ではなく記事単価(例では、1記事書いて2,500円)のようです。

 もっとも、1記事書いて2,500円、と書きましたが、仕事の詳細を見ると1件100円で、25件お願いしますといったこともあるので、内容は確認しておく必要があります。他にも、タスクとして「1件15円」のようなアンケート、口コミ案件もありますが、ここでは割愛します。

1日の目標文字数は、12,238文字

 一般財団法人 労務行政研究所によると、全産業で見た大学卒の新卒初任給は、2021年度で約210,000円だそうです(参照:2021 年度 新入社員の初任給調査)。

 「ライターで稼ぎたい」となると、大学卒の新卒初任給よりも多い金額が望ましいでしょうが、仮に毎月、200,000円稼ぐことを考えてみます。文字単価1.0円で、毎月20日働けるとすると、1日あたり10,000文字書く必要があります。と言いたいところですが、実際にはクラウドワークスのシステム利用料分が引かれます。

 クラウドワークスのシステム利用料は、「○○円を超える部分は△%」と少し複雑ですが、仮に毎日10,000円を手取りでもらえる仕事を受注したいとすると、約12,238円必要です。

 (10,000円 + 500円)/ 0.78 / 1.1 ≒ 12,238円

 ※500円は、口座引き落とし料。楽天銀行の場合は、100円
 ※0.78は、システム利用料(20%)+消費税(10%)
 ※1.1は、発注者からもらえる契約金額にかかる消費税(10%)

 毎日、12,238円を稼ぐには、

  • 1日あたり12,238文字を、毎日記事にする
  • より長い文書を書く必要がある仕事を受注する
  • 文字単価が1円より高い仕事をする

といった対応が必要です。

仕事の検索条件

 クラウドワークスのカテゴリにある「記事・ライティング作成」のお仕事は、2022年2月7日 22:30時点で 2,908 件存在しました。こちらをすべて確認すれば、信憑性のある記事になるのかもしれませんが、私一人では厳しいため以下の条件を設けます。

検索条件

・文字単価が 1.0円以上
・文字数が 1,000文字以上
・ライティング未経験可
・本人確認済みのクライアント

文字単価が 1.0円以上

 「何を言っているんだ。文字単価1円なんて、高待遇じゃないか」

 と言われてしまいそうです。冒頭から、文字単価1円の前提で話をしていますが、例えばYouTubeなどでも「まずは、技術を磨いて文字単価1円を目指しましょう」と言っている方を数人見かけました。ただ、その目指す案件がどのくらいあるか、ということは大事だと思います。

 例えば文字単価が0.5円であれば、半分の金額になるわけですから、1記事1,000円、10記事書いて10,000円のところ、半分の5,000円になる、と考えればOKかなと。

文字数が 1,000文字以上

 1,000文字以上にしたのは、例えば文字単価は1.0円だけど、内容は100文字の口コミ募集だった、という案件をよく見かけたからです。ざっくり1,000文字だと「記事を書いている」という感じになるかな、という設定です。

ライティング未経験可

 クラウドワークスの絞り込み条件に、「未経験可」というのがあります。

 この条件以外にも、求めるレベルという項目があり、「初心者、経験あり、プロ」に分かれているのですが、「『未経験可』であれば当然、求めるレベルは『初心者』ですよね?」と、煽り気味に結果を見にいきたいと思います。笑

 他のカテゴリでもそうですが、「未経験可」の条件で検索したのに、求めるレベルが「経験あり」ということが多く、そちらは文字単価が安いことと同じくらい、発注者側に問題があると私は思っています。応募者側としては、選別に時間を奪われますからね。

本人確認済みのクライアント

 こちらは単純に、私の好みです。

 たまに見かけるのが、応募要項に「本人確認、NDA締結必須」と書いていながら、自身は本人確認していないという発注者。そのうえ、いきなり「ChatWorkでやり取りをします」とか、クラフトワークス外に誘導することもしばしばあるそうですが、本当に報酬が支払われるのか疑問です。

 個人的に、発注条件として本人確認を義務付けた方が良いと思うんですね。

残念な検索結果

  合計で、18件ヒットしました。以下の観点で見ていきます。

検索結果概要

・本当にライティング未経験可なのか
・募集内容

求めるレベル=プロ限定:1件

 釣りに関する記事(本当の意味での、魚釣りの方です)。1,000文字程度

 まず、求めるレベルが「プロ」という時点で、なぜ未経験可で引っかかるようにしているのか疑問です。大手メディアに載せるようなので、一定以上のレベルが必要ということなのでしょうが、発注者側としても、未経験者が引っかからない方が良いのではないかと。

 あと、こちらで提示されていた金額は、文字単価1.0円ジャストでした。「プロ」相手に提示する金額として、適切なのでしょうか。私には分かりませんが。

求めるレベル=経験あり:7件

 ・3件:10,000字以上の論文
 ・1件:法律に詳しい人限定
 ・1件:応募タイトルは【未経験可】と記載されている。テストライティング200円
 ・2件:応募条件に「ライティング経験のある方。ポートフォリオ(※)を見せてください」

  (※)ポートフォリオ:転職活動にて、自身を採用側にアピールするための作品集

 論文について、相場がよく分からないので検索してみたところ、論文作成支援のサービスを提供している会社がありました。そちらのスタンダードコースは、1ヶ月で約150,000円。本当はこちらが妥当な値段なのだろうな・・・と思います。

 さて。実際は未経験不可だった、というものを除くと、約半分になってしまいましたが、本当に未経験可で応募できそうな案件は、あるのでしょうか。

求めるレベル=初心者:10件

 ・2件:女性下着に関する記事のため、女性限定
 ・1件:看護師限定
 ・1件:婚活経験者限定
 ・1件:投資経験者限定。20記事20,000円固定
 ・1件:募集詳細に「10記事分の値段」と記載されているため、実質的に文字単価0.1円
 ・2件:有料の通信講座を受けた感想
 ・1件:300円でテストライティング。合格した後、文字単価1円。
     記事対象となる教室(セミナー)に通った経験が必須
 ・1件:副業についてテーマが提示され、構成案の提出から実際に執筆するまでの依頼

 赤字にした募集は、完全に嘘つきですね。笑 他にも、未経験者が募集を読んで、ガッカリして帰るものが多い気がします。

検索結果。そして、1.0円未満の案件に対する不信感

 結果としては、1.0円以上の案件は、初心者にはほぼ手が出せないと思われます。そのため、1.0円未満、0.5円未満と文字単価を下げながら、仕事を探しに行くことになります。

 1.0円未満の案件について、この中にも「実際は経験者のみ」といった案件がありますが、それよりも多く見かけるのが「ライティングスキルが学べます」というもの。

 どこの誰かも、やる気やセンスの有無も分からない応募者に対し、お金をもらうのではなく支払って、スキルを懇切丁寧に教えてくれるということですか?本当にそうなのであれば、「ありがとう」(クラウドワークスの、感謝を示すボタン)の数は溢れ返っているでしょうね、きっと。

 本当なものもあるのでしょうが、個人的にはその文言を見るたびに、「あー、またか」不信感を抱いてしまいます。

発注者側の目線も想像してみる

 いままで、一方的に「応募者がかわいそう」という目線で見てきましたが、発注者側の目線も想像してみると、致し方ない面もあるのかな、と思います。こちらは私に経験がないため、箇条書きで羅列する形にさせてもらいます。

 ・クラフトワークスに、良い人材がいるのか疑問
 ・募集人数より多い応募者を、苦労して選抜し、仕事を依頼したまでは良かったが、小学生の読書感想文レベルの文章が納品されたら。修正依頼をする気にもならない
 ・文字単価0.1〜0.3円だったら、そんな状態でも最悪、修正依頼をせず金額を支払ってしまおう。経費の範囲内だし
 ・運良く、見どころのある応募者がいたら、本腰を入れて指導してみるか

 といったところでしょうか。あくまで私個人の想像ですが。

結論:経験・実績を積み、早く外に出る

 結論としては、「クラウドワークスでは、安い単価と引き換えに経験、実績を積む。その後外に出て、高単価案件を獲得する」になるかと思います。

 前述のとおり、毎日約12,238文字書く必要があるのに対し、そちらに見合った案件はありません。であれば、プロを目指すための修行の場、と頭を切り替える必要がありそうです。

 発注者のところにも書きましたが(もちろん良い発注者の場合ですが)、相手に本腰を入れて指導し思ってもらえるよう、応募者側も誠意を見せないといけないし、誠意をもって(文字単価が低くても)仕事をすれば、結果として経験・実績というお金以上のものが手に入れられる。その経験・実績をもって、外へ出ていく。

 と、割り切って利用するのが良いのかなと思いました。

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