【FP3級アウトプット】ライフプラン策定上の資金計画

FP資格 副業

 今回は、ライフプラン策定上の資金計画です。

 人生における出来事をライフイベントといいます。そのライフイベントの中でも、以下の3つは資金額は大きいため、3大必要資金といいます。

  • 教育資金
  • 住宅取得資金
  • 老後資金

3大必要資金について、準備をするためのプランニングを行います。多くの人が避けては通れない道でもあり、しっかり覚えたいところです。

はじめに結論

・3大必要資金(教育、住宅資金、老後)の資金計画
・試験問題では、対象年齢や期間が曖昧だと、足をすくわれがち。しっかり覚える

教育資金プランニング

 子供の教育にかかる費用を準備する方法として、主に以下の3つがあります。

  • こども保険(学資保険)
  • 教育ローン
  • 奨学金制度

それぞれ、内容を確認していきます。

こども保険(学資保険)

 こども保険(学資保険)は、一般の生命保険会社や、損害保険会社等から販売されている保険です。

こども保険(学資保険)の機能
 ・貯蓄機能:満期時に満期保険金、入学時や進学時に祝金を受け取れる。
 ・保障機能:親(契約者)が死亡した場合、以後の保険料支払い免除、満期保険金や祝金を受け取れる(親の死亡後、保険期間終了時まで年金が支払われるタイプもある)。

教育ローン

 教育ローンには、公的ローンと民間ローンがあります。公的ローンの主なものとして、教育一般貸付(国の教育ローン)などがあります。

 教育一般貸付は入学金、授業料のほか、定期代やパソコン購入費にも使うことができます。

教育一般貸付の詳細

融資限度額 学生一人につき、最大350万円(一定の場合450万円)
金利 固定金利
返済期間 最長15年
融資元 日本政策金融公庫

※世帯の年収制限(子供の数によって異なる)があります


一定の場合、というのは、一定の要件に該当する場合、という意味です。以下のいずれかに該当する場合、上限が引き上げられます(こちらは試験には出ないようですが)。
 ・自宅外通学
 ・修業年限5年以上の大学(昼間部)
 ・大学院
 ・海外留学(修業年限3ヶ月以上の外国教育施設に留学する場合)

奨学金制度

 代表的な奨学金制度として、日本学生支援機構(独立行政法人)が行う奨学金制度があります。

  •  貸与型
      利息の第一種奨学金
      利息の第二種奨学金
      ※第二種奨学金の方が、本人の学力、家計の収入等の基準がゆるい
  •  給付型
      2018年度から実施されている、返済不要の奨学金制度です。

住宅取得プランニング

住宅購入時に必要な自己資金の割合と、その準備方法

 住宅を取得する場合、ごく一部の人をのぞき住宅ローンを組みます。住宅ローンの融資限度額は、基本的に物件価格の8割以下。2割は頭金として、住宅購入時に準備する必要があります。それ以外に、登記費用や税金(不動産所得税など)、引越費用等の諸経費がかかり、これらの諸経費は物件価格の約1割と考えます。したがって、住宅購入時には物件価格の約3割を自己資金で準備する必要があります。

 自己資金の準備方法には、財形住宅貯蓄などがあります。財形住宅貯蓄とは、財形貯蓄制度を導入している企業の従業員が、給料から天引きという形で、住宅の取得や増改築を目的とした貯蓄を行うことです。ポイントは以下のとおりです。

  • 一定の要件を満たせば、財形年金貯蓄とあわせて元利合計が550万円に達するまで、利子等が非課税で貯蓄できる
  • 利用できるのは、勤労者財産形成促進法上の勤労者(職業の種類を問わず、事業主に雇用される者のこと)で、契約申し込み時の年齢が55歳未満
  • 利用にあたっては、1人1契約
  • 一定の要件を満たせば、住宅の増改築の場合でも、払い出しをすることが可能

一定の要件は調べ始めると少しややこしいのですが、FP3級では言及しなくても良さそうです。以降は住宅ローンに関して。

住宅ローン金利

 住宅ローンの金利には、以下の3種類があります。

  • 固定金利型
    ローン申し込み時、またはローン実行時の金利が、返済終了まで変更されずに適用されるローン
  • 変動金利型
    市場の金利変動に応じて、金利が変動するローン(見直しは半年ごと)
  • 固定金利選択型
    返済期間のはじめのうちは固定金利固定金利期間の終了後、金利型を選択できるローン。固定金利期間が長いほど、固定金利期間の金利はくなる

 試験では言及されないようですが、「固定金利期間が長いと、なぜ金利が高くなるのか」については、「固定金利が、なぜ変動金利より金利が高いのか」と同じ理由で、貸す側と、借りる側の、どちらが金利変動リスクを負うかによります。ここでいうリスクは「危険」という意味ではなく、金利が変動することで支払額(受取額)が得するかもしれないし、損するかもしれない、という振れ幅のことです。

固定金利は、そのリスクを貸す側が負うため、さらに金利が上昇しても良いように、高めに設定します。一方で変動金利は、金利が上昇して損するかもしれない、というリスクを借りる側が負うため、金利は抑えられています。

住宅ローンの返済方法

 住宅ローンの返済には、元利均等返済元金均等返済があります。
 途中のグラフは、借入額が1,000万円、年の利率が2%で、5年間で返済する場合です。通常、5年間ということはありませんが。
※現在、グラフが上手く作成できないため、後日更新します

  • 元利均等返済
    毎回の返済額(元金と利息の合計額)が一定
    返済期間の当初は利息の部分が大きく、返済期間が経過するとともに、元金の部分が増加
  • 元金均等返済
    毎回の返済額のうち、元金部分が一定
    返済期間が経過するにつれて、利息を含めた毎回の返済額が減少

総返済額は、元利均等返済の方が大きくなります。理由は、元金に対して利息がかかるため、元金の減少が早い方が、利息も安くなるためです。

住宅ローンの種類

 主な住宅ローンは、財形住宅融資フラット35です。

  • 財形住宅融資
    財形貯蓄を行なっている場合において、一定の条件を満たした時に、融資が受けられるローン
  • フラット35
    民間の金融機関と、住宅金融支援機構が提携し提供している、長期固定金利型の住宅ローン
住宅ローンの種類 財形住宅融資 フラット35
金利 5年固定金利 固定金利(融資実行日の金利)
融資金額 ・財形貯蓄残高の10倍以内(最大4,000万円)
・購入価格の90%以内
・最大8,000万円
・購入価格、または建設資金の100%(※)
返済期間 以下のうち、短い方
・80歳ー申込時の年齢
・35年(購入の場合等、条件あり)
最長35年(完済時80歳以下)
融資条件 1年以上継続して積み立てをしており、財形貯蓄残高が50万円以上であることなど ・本人居住用であること
・申込時年齢が70歳未満

(※)融資割合が90%超の場合、高い金利となる


 その他、以下の特徴があります。

  • 保証人や保証料は不要
  • 繰上げ返済(後述)時の手数料無料
  • 繰上げ返済は、窓口の場合は100万円以上、インターネットの場合は10万円以上
  • 親の住宅ローンを、子(や孫)が引き継いで返済可能(親子リレー決済)

 なお、2017年10月1日以後に申し込んだ人から、月々の支払いに団体信用生命保険(後述)の加入に必要な費用が含まれます。そのため、年払いでの団信特約料の支払いが不要となりました。

住宅ローンの繰上げ返済

 繰上げ返済とは、通常の返済以外に、元金の一部や全部を返済することをいいます。繰上げ返済を行うことにより、ローンの元金が減るため、利息も減り、トータルの返済額を減らすことができます。

 繰上げ返済の方法には、返済期間短縮型と、返済額軽減型があります。

  • 返済期間短縮型
    毎回の返済額を変えずに、返済期間を短縮する方法。
    返済期間の元金を一度に返済するため、その期間の利息がカットされる。
  • 返済額軽減型
    返済期間を変えずに、毎回の返済額を減らす方法。
    毎月返済する元金の一部を、一括で返済するため、その分の利息がカットされる。

返済期間短縮型の方が、利息軽減効果は大きくなります。

住宅ローンの借換え

 借換えとは、金利の高いローンを一括して返済し、金利の低いローンに換えることをいいます。これは試験ポイントにもなりますが、私的ローンから、財形住宅融資などの公的ローンへの借換えはできません

 これによって、利息を減らすことができます。なお、金利分だけ丸々減るわけではなく、新規でローンを組むことにともなう諸経費はかかるため、考慮が必要です。

団体信用生命保険

 団体信用生命保険とは、住宅ローン返済中に債務者が死亡した場合の保険です。保険会社が、その時点の住宅ローン残高を、保険金として金融機関に支払うため、遺族は残りの住宅ローンを支払う必要がなくなります。

老後資金プランニング

 老後生活の主な資金は、以下の3つです。

  • 退職金
  • 年金(公的年金、企業年金)
  • 貯蓄

リタイアメントプランニング

 退職後や、老後の生活設計のことを、リタイアメントプランニングといいます。リタイアメントプランニングでは、上記の老後生活資金(収入)と老後生活費(支出)を見積もり、不足するようであればそれを準備する方法を考えていきます。

 例えば、退職後に5年間だけアルバイトをする、退職する数年前から、安全性の高い投資性商品(定期預金や国債)に投資するなどの方法があります。

老後生活費の計算

 老後に必要な生活費は、退職前の生活費を基準に、次のように計算します。

  • 夫婦とも健在の場合(月額)
    退職前の生活費×0.7
  • 夫のみ、または、妻のみの場合(月額)
    退職前の生活費×0.5

 上記で計算した金額は月額のため、これを年額に直して、退職時から平均余命までの年数を掛けた金額が、老後に必要な生活費ということになります。

 以前、記事で取り上げたことがありますが、生命保険文化センターの調査(2019年)では、夫婦二人の生活費について、以下のようになっています。
 ・最低生活費:月額221,000円
 ・ゆとりのある生活:月額361,000円

確認問題

 正誤問題。
 1.日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)の返済期間は、母子家庭等の場合を除き10年以内である。
 2.住宅ローンの一部繰上げ返済を行う際に「期間短縮型」を選択した場合、一般に、繰上げ返済後の毎回の返済額は増額となるが、残りの返済期間は短くなる。
 3.住宅金融支援機構と民間金融機関が提携した住宅ローンであるフラット35の融資金利は、一律ではなく、取扱金融機関がそれぞれ独自に決定する。


→1.誤り。最長15年。子供の数や世帯年収の上限額はあるが、期間の制限はない。
→2.誤り。期間短縮型は、毎回の返済額を変えずに、返済期間を短縮する方法。
→3.正しい。「独自に決定」という文言に影響されて×を付けないように注意。

終わりに

 今回は、ライフプラン策定上の資金計画でした。3大必要資金(教育、住宅、老後)のうち、住宅は特に厄介なので、しっかり覚えましょう。
 余談ですが、問題集を読む限り、「住宅金融支援機構」といった法人名で引っ掛けてくるパターンはなさそうなので、「元金均等返済」「返済額軽減型」といった用語を、間違えないようにしましょう。

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