老後資金はいくら必要か

investment 投資

 老後が不安なら、投資をした方が良い。

 いまや多くの方が言っていることであり、私も同意見です。20年前の自分にも言いたい。笑
 ところで、その老後に必要なお金、いくらか分かりますか?

 私は40になろうという最近まで、分かりませんでした。。。

 多くの方は「不安」と「恐怖」を抱えています。
 違いは、対象がはっきりしているか、していないかです。「不安」は対象がはっきりしていないため、対処方法が分かりませんが、対象がはっきりしている「恐怖」であれば、対処方法を検討することができます。

 老後が「不安」な方は、必要なお金がいくらか知ることで、お金が足りないという「恐怖」を感じるようになります。笑

 脅したいわけではなく、対処方法が分かるようになれば、最終的には「不安」と「恐怖」が解決に向かっていくので、まずは対象をはっきりさせて、対処を考えましょう。

はじめに結論

・老後に必要な金額は、二人以上世帯で224,390円、単身世帯で133,146円。
・私(単身世帯)の場合、老後に約1,300万円不足するかもしれない。
・解決法は、定年以降も働く(副業もあり)、投資の力を借りる。特に投資がオススメ

老後にもらえるお金、必要なお金

 以下の前提です。
 ・会社員
 ・副業なし
 ・60歳で退職し、以降は仕事をしない
 ・95歳まで生きる
 ・貯金はゼロ
 ・投資は未経験

 いまの時代、60歳で退職できるのは、アーリーリタイアなのかもしれませんが。

 以降、登場する具体的な金額は、私が基準のものが多いです。
 ネット上で調べた、全国平均の金額もありますが、自身の場合はいくらになるのか、考えながらご覧いただくと良いかと思います。

老後にもらえるお金1:退職金

 退職金は、勤務先の会社によって色々とあるため、一度聞いてみることをお勧めします。
 私の勤務先では、退職金の計算方法が「退職金規程」に載っていました。計算したところ、22歳から38年間働いた場合、800万円ほどでした。

 実際にはもっと多い方がほとんどだと思いますが、今回はいったん800万円の前提で進めます。

老後にもらえるお金2:年金

 年金も、会社員か自営かによって異なります。
 ねんきんネットでシミュレーションできるため、一度確認するのが良いでしょう。

 私は現在会社員なので、国民年金と厚生年金があります。仮に定年まで、いまの会社で勤めた前提で計算すると、141,940円/月です。ただ、こちらは所得代替率(年金額が、現役世代の賞与を含む手取り収入額と比較して、どのくらいの割合かを示す指標)が61.7%で計算されています。

 現時点で、所得代替率を50.1%に下げないといけないと言われていますが(と言いつつ下がっていませんが)、国の財政検証では最悪のシナリオの場合、37%まで下がる可能性があるとされています。そのため、年金ネットに表示されている受給額を、所得代替率で計算し直してみます。

所得代替率毎月の受給額
61.7%141,940円
50.1%115,254円
37.0%85,118円
参考:2019年財政検証関連資料 より


 だいぶ下がりますね。で終われば良いのですが、この金額から税金が引かれます。

退職金、年金にかかる税金

 退職金にかかる税金の計算は、以下のとおりです。
 私は勤続年数が20年超で、かつ800万円なので、税金はかかりません。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円 × 勤続年数
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超800万円 + 70万円 × (勤続年数 – 20年)


 年金にかかる税金の種類は、以下のとおりです。
  ・所得税(復興特別所得税含む)
  ・住民税
  ・健康保険料
  ・介護保険料(75歳からは、後期高齢者医療保険料)

 計算が複雑になるので、今回はざっくり受給額の10%を引きたいと思います。

老後に必要なお金

 家計調査年報によると、毎月必要な生活費は、以下のとおりです。

世帯種類月々の生活費
65歳以上無職の
二人以上世帯
224,390円
65歳以上無職の
単身世帯
133,146円
参考:家計調査年報(家計収支編)2020年 家計の概要
   「II 総世帯及び単身世帯の家計収支」より


 別データですが、生命保険文化センター調査によると、仮に「ゆとりある生活」を送りたい場合、もっと必要になります。単身世帯については載っていなかったので、二人以上世帯の割合分だけ増やしました。

世帯種類月々の生活費
65歳以上無職の
二人以上世帯
361.000円
65歳以上無職の
単身世帯
214,206円
参考:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度
   「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」より


 確かに、いまは上記ぐらいの生活費です。雲行きが怪しくなってきました。笑

老後に足りないお金

 年金支給額が、実際に必要なお金から見て足りているのかまとめました。
 いままで私の例を出していたため、二人以上世帯は割愛します。

所得代替率 50.1% 37%
もらえる 退職金(総額) 8,000,000円
  退職金(月)(※1) 22,222円 22,222円
  年金(月) 115,254円 85,118円
  税金(月) △11,525円 △8,511円
もらえる金額計 125,951円 98,829円
必要な生活費(月) 133,146円 133,146円
ゆとり生活費(月) 214,206円 214,206円
毎月の「必要な生活費」過不足額 △7,195円 △34,317円
毎月の「ゆとり生活費」過不足額 △88,255円 △115,377円
総額の「必要な生活費」過不足額(※2) △2,590,200円 △12,354,120円
総額の「ゆとり生活費」過不足額(※2) △31,771,800円 △41,535,720円

(※1)退職金を、年金生活の30年間(65〜95歳)に毎月割り振った場合の金額
(※2)65〜95歳までの30年間で計算

 ひとまず、ゆとりのある生活は諦めるとして。
 必要な生活費でも、1,300万円近く不足するのは、「恐怖」というよりも「絶望」に近いです。笑

 ということで、対策を考えねばなりません。

生活費の不足分を解決する方法

 年金だけでは生活できないことが、改めて分かったところで、冒頭に記載した前提を見直してみます。

 <前提>
 ・会社員
 ・副業なし
 ・60歳で退職し、以降は仕事をしない
  →定年延長して働く
 ・95歳まで生きる
 ・貯金はゼロ
 ・投資はしない
  →投資をする

 太字部分に記載した2つの方法について、考えてみます。
 副業については、何の職業を選ぶのか、また個人がどのくらい副業に関する技術・知識があるのか、によって金額が大きく変わるため、割愛します。

 副業で稼げる方は、定年を延長する代わりに副業をやっても良いと思います。

解決方法1:定年延長して働く

  いま、多くの60超え会社員の方がやっているのは「60歳以降も働く」ことでしょう。私の勤務先にも多くいらっしゃしますし、世の中全体でも定年を延ばそうとしています。

 仮に、私がいまの勤務先で65歳まで働いて、年金を70歳から受給してもらう場合、以下のとおり変わります。

所得代替率 50.1% 37%
もらえる 退職金(総額) 8,000,000円
  退職金(月)(※1),(※2) 26,666円 26,666円
  年金(月) 179,412円 132,500円
  税金(月) △17,941円 △13,250円
もらえる金額計 188,137円 145,916円
必要な生活費(月) 133,146円 133,146円
ゆとり生活費(月) 214,206円 214,206円
毎月の「必要な生活費」過不足額 54,991円 12,270円
毎月の「ゆとり生活費」過不足額 △26,069円 △68,290円
総額の「必要な生活費」過不足額(※3) 16,497,300円 3,681,000円
総額の「ゆとり生活費」過不足額(※3) △7,820,700円 △20,487,000円

(※1)退職金を、年金生活の25年間に毎月割り振った場合の金額
(※2)60〜65歳の分は、退職金をもらえないものとする
(※3)70〜95歳までの25年間で計算

 かなり明るい未来となりました。やはり、5年間年収があるというのは違いますね。

 私は、所得代替率50.1%では考えていませんが、仮にそちらでいけると思われる方は、必要な生活費であれば毎月約5.5万円余りますので、たまに旅行へ行ったり、おいしいものを食べ歩きしたりすることは問題ないでしょう。

 一方で、以下の問題があります。
 ・いまの会社が、引き続き雇ってくれるのか
 ・60歳時点で健康なのか
 ・先のことすぎて、アテにはできない

 そのため、もう一つの方法として、投資でまかなうことを考えてみます。

解決方法2:投資をする

 投資に関しては、今すぐ実施した方が複利の力が働くため有効です。

 いま、ブログを読んでいる方がおいくつなのか分からないので、年齢をいくつかのパターンに分け、それぞれ月2万円ずつ積立投資した場合の、総額を考えてみます。

年齢 22 30 40 50
運用期間(〜65歳) 43年 35年 25年 15年
積立総額 10,320,000円 8,400,000円 6,000,000円 360,000円
資産総額(年利4%) 27,441,467円 18,274,619円 10,282,591円 4,921,810円

参考:アセットマネジメントOne「資産運用かんたんシミュレーション」より


 22歳で、月2万円を投資するのは厳しいでしょうし、逆に年齢が上がっていけば、もっと投資額は増えるでしょうが、目安としては良いのではないかと。なお、税金や手数料は考慮されていないので、満額もらえるわけではありません。

 とはいえ、もともと不足していた額は、1,300万円ですから、私と同じ40歳で始めても、1,000万円ほどの資産を築くことができます。

 私は40歳になり、一般NISAで月10万円積立を始めました。積立額自体は5年分(合計600万円)で満額となり、以降は持ち越しとなるため、追加できる資金があれば特定口座での運用を考えています。

 仮にNISA口座だけ分だけで計算しても、資産総額は(皮算用ですが)1,470万円ほどになります。

 やはり、投資(複利)の力はすごい、と感じました。

結論:自身の必要額を計算し、投資をしよう

 結論としては、まず老後の不安を解決するため、
 ・自身の老後に必要な生活費の額を計算する

ことが重要です。そのうえで、仮に不足しているのであれば、
 ・定年延長して働く(副業もあり)
 ・投資をする

が、解決法として考えられます。何を選択するかはご自身の判断となりますが、私は現時点では「投資をする」ことを選んでいます。いずれにしても、老後の不安を解決し、安心して毎日を過ごしましょう。

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